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ピエール・ガッサンディ
フランス 1592~1655
真空実在論を復活させた
シャンテルシエの農家に生まれる。1609年からエクス大学でアリストテレス哲学とカトリック神学を学び、1614年にアヴィニオン大学で神学の学位を取得する。 1616年にエクス大学哲学教授に就任するが、1622年、イエズス会が大学を支配下に置いたためディーニュに引き込んで研究と著述に専念する。 1624年、パリを訪れメルセンヌと出会う。音速は音の高低によらないなど、メルセンヌと共同実験を行う。
カトリックの教理の中に「神は真空を恐れる」「自然は真空を嫌う」というものがあった。 教会の権威が強いなかで、1624年、ガッサンディは真空の実在を主張した。
この真空実在論の歴史は古く紀元前から存在する。 すなわち、「あらゆる物質は原子からなり、原子以外には真空しかない」といったもので、物質は原子からなるというあたりが神を否定すると捉えられたらしい。 ガッサンディの後は1630年、ガリレイによって「自然が真空を恐れるのには限界がある」とされ、1643年、トリチェリによって「自然は真空を恐れてはいない」とされていく。 教会が絶大な権威を誇っていた当時、科学者たちはまさに身を削っていたといえる。
哲学体系
ガッサンディ没後の1658年に出版されたものである。教科書で目にすることは少ないが、現代物理学がガッサンディに負うところは多い。ニュートンは学生時代にガッサンディを読んで大きな影響を受けたという。 原子論に立ち、時間と空間を物質から切り離したのがガッサンディである。ニュートンの光の粒子説はガッサンディの原子論に基づいている。また、力学の第一法則、すなわち慣性の法則はガリレイよりもガッサンディに負っている。
哲学大系の中で、こう述べている。 「空虚の中に物体が置かれているとして、ある方向にそれを突いてみよう。物体は何の抵抗も受けないから、それは一様運動を始めるだろう。さらに最初の突きと同じ強さの突きを与えてみよう。その突きは最初の速度と同じ速度を物体に加えるだろう。 三番目の突きは三番目の速度を加えるだろう。いったん得られた運動は失われず、重力の一様な引力は、各瞬間で速度を加えながら、一様な加速度を生み出すだろう。」
速度をv、力をF、時間をtとすると、これは dv ∝ Fdt になる。速度の微分は力の積に比例する、すなわち力学の第二法則。ニュートンの方程式にほかならない。
Last Update 2010/08/19
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