電気史偉人典では電気の歴史に名を残す偉人たちを紹介しています
| 前へ | < | 用語集 | > | 次へ | ホーム | > | 用語集 | > | 銅 |
元素記号:Cu
原子番号:29
原子量:63.55
金属元素の一つで赤色を呈し、結晶構造は面心立方格子で融点1084.5[℃]、沸点2660[℃]、密度8.923[g/cm^3]、比熱0.0919[cal/g℃]、熱伝導度0.93[cal/cm sec℃]、電気比抵抗1.56×10^-6[Ωcm]である。
自然界には純銅としても存在するが、一般には硫化物として存在することが多い。 クラーク数0.01で、酸素(49.5)、シリコン(25.8)、アルミニウム(7.56)、鉄(4.70)の順に低くなって29番目である。
19世紀に電気が実用的になり、20世紀に入ると電力・通信の両面で銅の優れた導電性を生かす需要が伸びた。これに伴い製銅法が進歩し、生鉱に含まれる硫黄の反応熱を利用する自溶精錬が発明された。さらに、直列電気精錬法の開発によって高純度の電気銅が生産されるようになった。
銅は空気中で表面に生じる黒色の酸化銅(CuO)の皮膜により腐食から保護される。しかし、空気中に湿気があると炭酸ガスによる緑青Cu2(OH)2CO3が生じ、腐食が進行する。また、酸素の残留が多い銅を水蒸気を含む環境で加熱すると、水素病と呼ばれる脆性破壊を起こすことがある。
古来より人類に親しまれた金属であり、紀元前240年頃に既に中国に”銅”という文字が存在したといわれる。 銅(Copper)の名は、この金属が初めて産出された島の名前キプロス(Cyprus)に由来すると言われている。 鉱石から得られる銅には酸素、Pb、As、Sb、Ag、Auなどの不純物が存在し(純度99.6~99.9[%])、これを電気分解して得られたのが電気銅である(99.8~99.9[%])。
銅は量産金属のうちで最も電気伝導度が大きいので、その長所を生かして送電線、電話線、電気、電子部品や機械などに大量に使用されている。 また鉄を除く多くの金属類と合金しやすく、黄銅(真鍮)、各種青銅類などの基礎的金属となり、鉄と並んで最も安価で有用かつ重要な金属である。 鋼中に含まれると耐食性や強度を増すという働きがあるが、オーステナイトステンレス鋼の加工硬化を減少させる効果もある。 銅化合物は、農薬、木材保存剤、飼料添加物、石油の精製、ガラスや陶器の着色、染料や花火の製造などに使用される。
1930年当時では世界全体で160万トンであったが、現在では年間約900万トン。日本国内の生産量は年間約150万トン程度となる。
銅は、非鉄金属精錬所の排ガス、多くの工場の廃液、各種化学商品の使用と廃棄後の処理などを通じて環境に放出される。その量は世界全体で年間100万トンに達し、汚染が次第に増大しつつある。 水中からの生物濃縮、特にカキについては14000倍と著しく、食品の汚染を拡大している。また屋内のハウスダストの銅含量が屋外より高いケースも知られている。
このため、一般人が体内に取りこむ銅の量は1日あたり約l[mg]におよぶ。 結果、人体汚染も進んでおり、例えばメキシコでは、肺の銅含量が、1980年代に30年前と比べて4倍以上に増加したと報じられている。
NIOSHの労働環境大気中許容濃度は、金属銅の微粉末について0.1[mg/m^3]。 アメリカでは有害水質汚染物質および有害廃棄物に指定。 またノースダコタ州では一般環境大気中許容濃度を2[μg/m^3]に設定。バーゼル条約の対象物質でもある。 日本ではPRTRの第一種対象物質であり、化合物の多くは劇物に指定されている。
Last Update 2008/01/29
Copyright(C) 2006-2008 電気史偉人典 All rights reserved