電気史偉人典では電気の歴史に名を残す偉人たちを紹介しています
| 前へ | < | 用語集 | > | 次へ | ホーム | > | 用語集 | > | ニッケル |
元素記号:Ni
原子番号:28
原子量:58.69
鉄族の金属元素で銀白色を呈し、融点1455[℃]、密度8.90[g/cm^3]である。 強磁性金属で磁気変態点は~360[℃]となる。
銅に似た外観だが、溶融しても銅を得ることができない物質として、鉱夫の間では長い間疑問とされていた鉱物で”悪魔のニックの銅”と呼ばれていた。 1751年にスウェーデンの鉱物学者クルンステッドが正体解明に取り組み、銅でもコバルトでもない白い金属の抽出に成功した。 ニッケルの名は鉱夫たちが呼んでいた”悪魔のニックの銅”からとったとされる。 鉄以外では初めて磁石に引き付けられる物質であった。
ステンレス鋼やNi基の耐熱合金として、また磁性材料、抵抗材料、その他の合金元素としてきわめて重要な物質であり、貨幣、装身具、通信機器、電池の材料、各種メッキなどにも利用されている。 ニッケル化合物は陶磁器とガラスの着色や触媒の製造に使用される。
1930年当時では世界全体で約2万トンであったが、現在では年間約80万トン。 日本国内の生産量は年間約3万トン程度と、輸入が5万トン程度である。
ニッケルは、これを扱う工場の作業場を汚染すると共に、非鉄金属の製錬所の廃液、 石油をはじめとする化石燃料の燃焼などを通じて一般環境にも放出される。 その量は世界全体で年間40万トン以上に達し、都市部の大気中濃度は近年増大傾向を示している。 また屋内のハウスダストのニッケル含量が屋外より高いケースも知られている。
このため、汚染された大気、飲料水および食品から一般人が体内に取りこむニッケルの量は、1日あたり少なくとも0.2[mg]に達している。 その結果、人体汚染も進んでおり、例えばメキシコでは、肺のニッケル含量が1980年代に30年前と比べて約20倍に増加したと報じられている。
NIOSHの労働環境大気中許容濃度は15[μg/m^3]。 アメリカでは有害大気・水質汚染物質および有害廃棄物に指定。 日本では大気汚染のリスク低減のための指針値を0.025[μg/m^3]とし、飲料水水質監視のための暫定指針値を0.01[mg/ℓ]と設定した。 またPRTRの第一種対象物質に指定している。
Last Update 2008/01/29
Copyright(C) 2006-2008 電気史偉人典 All rights reserved