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ロンドン王立協会は、現存する最も古い学会である
1640年代、フランシス・ベーコンの神秘性を排して、科学研究は人間の感覚に明らかに感じる事実のみを対象とすべきであるという精神の、ウィルキンスを中心とした商人、地主、貴族、医師、牧師などの自然研究愛好者のグループができた。 1646年にボイルが加わり、フックもこれに続いた。市民革命が進む激動の時代にありグループは法的な保護を求めた。 1662年に国王チャールズ2世の勅許状を与えられ、ここに伝統あるロンドン王立協会が発足する。
王立協会とはいうものの発足当時は王政復古して2年しか経過しておらず、王室の後援が得られはしたが国立の協会ではなく自治団体であった。 王立とはいえ、会の財政のほとんどは会員の会費で賄われる。イギリスにおける”王立”とは多くの場合、王室から権威の象徴として名目的に認可される冠称でしかなかった。
1663年にフックが書いた協会規約中事業目的の前文には「自然の事物の知識、および一切の有用な工芸・機械を製作する実務、またそれらを実験によって発明改良することであり、神学・形而上学・道徳・政治などには介入しない」とあり、 科学と宗教・政治をはっきりと区別している。 ガリレイのように非宗教的として裁判にかけられるような宗教主導の時代にあって、この協会の存在は多くの科学者にとって支えになったことだろう。
正式名称は「自然についての知識を改善するためのロンドン・ロイヤル・ソサエティ(The Royal Society of London for Improving Natural Knowledge)」といい、 科学研究とその応用、学術の国際交流と啓蒙活動をめざす自発的な団体として成立し、18世紀初めにはニュートンが会長をつとめるなどイギリス科学界を代表する機関となる。 任意団体ではあるが、イギリスでは科学に関する国民アカデミーとしての性格も持つ。
1665年創刊の機関誌「フィロソフィカル・トランザクションズ(哲学紀要)」や、1800年創刊の「会報」をはじめ、出版活動の伝統も古い。 ロイヤル・ソサエティ会員(FRS)は名誉ある地位とされ、一部の外国人会員もふくまれる。会長と評議会を中心に自律的に運営され、各種の委員会を付設している。
フィロソフィカル・
トランザクションズの創刊号
1665年3月、機関誌「フィロソフィカル・トランザクションズ(哲学紀要)」が創刊される。これは、王立協会の許可のもと、事務局長であったオルデンブルク個人の冒険的事業として始められたものであった。
創刊号にはローマの研究者による光学ガラスの改良、木星の縞の一つにある斑点の観察結果、冷に対する実験誌についての注記、非常に奇妙な奇形牛に関する報告、特殊な鉛鉱石といった内容が取上げられている。
オルデンブルグは創刊の目的を以下のように語っている。
「科学に関する簡単な記録を少しずつ収めることが目的なのではない。例えば宇宙の作用と所産、自然の神秘、最初の発見、有用な発明や技術の発達などを個別に扱うだけではない。そこからさらに先へ進むために、相互扶助や協働作業があらゆる場面で行なわれるように促すことも意図しており、そしてそれが主要な目的である」
その生を閉じるまで編集の任を務め、オルデンブルグ亡き後は歴代事務局長が個人的に彼の遺志を継いだ。1752年、王立協会論文委員会に引き継がれ、現在に至る。
Last Update 2007/12/09
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